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ブラティスラヴァ世界絵本原画展@千葉市美術館

先日、出かけた千葉市美術館のブラティスラヴァ世界絵本原画展、良かった。これだけ多岐多様な作品を一堂に観られるってほんとにありがたい。
そして、やっぱり水彩の色づかいが好きだな、と再確認。

いろんな国の絵本があったけど、特に良かったのは冒頭のハンネ・バルトリンの2作、「すべてについての話」「あなたについての話」。アイデンティティや自己理解などをテーマにしているらしい(ハンガリー語?なので全く読めず…)ので、重たい作品になるのかな?と思いきや、色の美しさと小さなキャラクターのかわいらしさにいつまでも眺めていたくなる。

年配の観覧者が多かった印象だけど、子ども向けのワークシートがあったり、館内の各所に絵本から抜き出したキャラクターが隠してあったりと工夫してあって楽しかった。キャラクターは、「全8箇所」と教えてもらったけど、最後の1つが見つけられず。ワークシートも、子どもたちが描き込んでた「へんないきもの」の話しで盛り上がったり。会期終了までもう少しだけど、おすすめです。
▼千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2019/0120_1/0120_1.html
▼展示作品リスト
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2019/0120_1/0120list.pdf

ちなみにこのブラティスラヴァ世界絵本原画展、1967年から続いている絵本のトリエンナーレなんだね。現地の少年少女が審査する表彰があったり、地元のお話をモチーフにした作品があったり。マクロとミクロの対比も内在していて、とてもいい美術展だなと実感。オススメです。


以下、個人的に良かった作品群をメモ。
ハンネ・バルトリン「すべてについての話」「あなたについての話」
天使とおばけ。水彩、色。アイデンティティと自己理解。<あなたの思考が「あなた」なら、何も考えない時のあなたはいったいだれ?>という問いかけ。

アンナ・デニスツカヤ「懐かしのロシアの家」
モスクワのアパート内の生活を切り取った絵本。物語と探すたのしみ。

キム ジミン「ハイドと私」
切り抜いた先とつながる世界の私。立体的な作品として、とてもユニークなしかけ絵本。
小学生の長女は「読んでいて気持ち悪くなった(酔った)」らしい。シュルレアリスムの作品につながるような、異体験。

あずみ虫「わたしのこねこ」
大きな切り絵による、印刷では再現できない立体感。影を伴う雰囲気や存在感が、一冊の本を温かい雰囲気に。

村山純子「さわるめいろ」
幾何学模様の輪郭線などを、展示でつないだ「迷路」。指だけで迷路をするって、こんなに難しいんだ!とびっくり。
視覚障害を持つ方たちの苦労をわかりやすく実感させてくれる。
逆に、視覚障害の子どもたちにとっては、これを楽しんでくれるといいな。

パク ジェンチェ「ヒキガエルが いく」
社会底辺層をメタファーとしてのヒキガエル。グロテスクさが厳しい自然で生きる姿、本能に忠実な強さ、生命の輝き、とはいうけど、カエル好きな自分にとっては親しみしかない。原画も良かったけど、これは絵本作品としてとても良かった。ハングルで書かれているので読めなかったけど、絵だけで楽しめる。カエル好きの皆さんに全力でオススメ(…ただし、amazonでも購入できず。買える場所を見つけたら教えてください)

リ ジョンホ「散策」
青く巨大な本の世界。夕闇のような薄青。青のグラデーションって本当に好きな色だな…。冷たさはなく、ほの温かい空気感。